他国を征服したときは

成毛眞さん。「未来を読むという点以外でも歴史書や戦史が経営に役だったこともありました。実は、私がマイクロソフト日本法人の社長として業績を挙げることができたのも、ある歴史書のおかげでした。それは政治思想家であるマキャベリが書いた『君主論』です。『君主論』は陰謀術数の書のようにいわれていますが、よく読めば極めてまっとうなリーダー論であることがわかります。たとえば、マキャベリは「他国を征服したときは、国王以下、大臣全員の首を即刻はねろ」と書いています。しかし、首をはねた次の日からは、絶対に首をはねてはいけないとも述べています。私もマキャベリにならって、社長に就任した瞬間に元上司のクビを斬り、大胆な組織変革を行いました。そして三年間はこの体制でいくと宣言しました。」君主として大胆にクビが斬れるか。