天才とはサービス精神

内藤國雄さん。「長嶋(茂雄)さんのほうから近づいて来てくれて、『内藤さん、覚えていますよ。二十数年前にぼくのラジオに出てくださいました。』と声をかけてくれた。ものすごく優しいんです。それで、ぼくははっと思ったんです。『天才とは、サービス精神である』たとえば伊藤看寿詰将棋。あの詰将棋はサービス精神ですよ。どうやって将棋ファンを楽しませてやろうか。これでもか、これでもかという思いが伝わってくる。そして詰ました後の感じのよさ、開放感。あれはまさにサービス精神です。あるいは黒澤明の映画もサービス精神が詰まってますね。『用心棒』での立ち回りの効果音。刀で人間を切るときの、ズバッ、バサッという音は、黒澤さんがはじめてつけたんです。あれもまさにサービス精神ですね」天才とは人の為に突き詰めることなりや。