損失は把握している3倍程度

丹羽宇一郎さん「私は、とにかく20世紀の『負の遺産』は20世紀中に片づけなければならないと考えました。重荷となるものを取っ払って、会社を明るくしたい。社員の喜ぶ顔が見たい。従って、とにかく皆の机の中にしまってある損を全部出せと指示しました。だいたい損失というものは、私の経験上、大雑把に把握している額の3倍程度になることが多いものです。だから何となく予測はしていましたが、極秘にタスクフォースを発足させて調べてみると見事にそれが当たってしまいました。(略)伊藤忠の株価はどんどん下がっていました。市場というのは敏感ですから、伊藤忠には何かあると感じ取っていたのだと思います。今度は市場につぶされる可能性がでてきます。ですからそうなる前に「よし、やろう」と決めました。」膿を出し切る決断を。