借金せずに設備投資を

御手洗冨士夫さん。「経営状態を測るものとして、日本の経営者はPLを重視しがちです。銀行の融資はこれが判断材料になるからです。しかし、PLは在庫をどう評価するかで中身が大きく変わってくる。私は、キャッシュフロー重視の経営に切り替えました。お金の流れを見ることで会社の実態を把握する。お金の流れを分析すれば、『今、会社が自由に使えるお金はいくらか』ということもわかってきます。そこで計算したら、純利益が500億円あれば、借金せずに設備投資ができることがわかりました。だから私は社長就任の翌年に、『経常利益1000億円の達成』ということを会社の目標に定めたのです。これは純利益が500億円を超える目安の額です。まず利益重視の経営という大きな柱を立て、細部の改革を行っていきました。」どれだけ利益が必要ですか?