欧と米という二つの軸

今北純一さん。「剣豪の宮本武蔵佐々木小次郎ではないですが、かつては日本人も、瞬間的に心眼で相手を見抜くことができたのです。そういった鋭い感性を現代の日本人はどこかに置き忘れてしまったのですね。私にとっては、ヨーロッパとアメリカという二つの軸は非常に貴重な解析の道具になっています。私は最初、留学という形でアメリカに行った訳ですが、今振り返ってみると、そこで体験したアメリカを基軸にしてヨーロッパを見ることが出来ました。そして、ヨーロッパを軸にしてアメリカと日本を対比して見ることも出来る。こうして日本から世界を見る視座と世界から日本を見るという視座を組み合わせて時代の動きを追いかけ、見通すことがものすごく自分を楽しい世界に誘ってくれました。尽きない鉱脈のような魅力ある世界です」欧の視点を。