深い対話は人間力の問題

野中郁次郎さん。「ホンダ財団での講演中に聴衆の一人が全身で反応するのに気づいた。実に良い間合いでうなづく、笑う、沈思する、メモを取る。こちらも彼に共鳴して、リズムよく全力を出しきった。講演後、彼は『本田です。ありがとう』と言って去った。本田宗一郎氏にお会いした最初で最後の瞬間であった。深い対話では、言語・非言語両面の機能が働く。他者への共感、感情の機微の察知、自他相互介入のタイミングと限界点への配慮などが欠かせない。だから、対話は語学力を越えた人間力の問題だと思う」フェイス・トゥ・フェイス・コミュニケーションが、やはり対話の基本なのであろう。信頼関係が出来てしまえば、あとはメールでもいいのだろうけれど。対話によって、我々は相手に判断される。全身全霊で人と接するようにしていきたし。