自分からは降りるな

押井守さん「(鳥海永行さんという)師匠から教わった仕事に対する心構えは、今でも忠実に守っています。例えば、スタッフとのつきあい方。『ダメだとか、分からないとか一切言ってはいけない。困ったら、黙って目をつぶって腕を組めばいい』と(笑)」「もう一つ大切なことは、『自分から降りるな』ということ。降ろされるのと降りるのでは全然違う。降ろされるのは仕方がないけど、降りたという評価は一生ついて回る。世間では、『降りた=逃げた』と判断されるんです。降ろされたんなら、向こうが悪かったのかもしれないでしょ。よく闘ったなという印象を与える。だから師匠は、『降りたくなったら、けんかを吹っかけてテーブルをひっくり返せばいい』と。逃げて降りるのと、闘って降ろされるのとは違うということです」自分からは、降りないこと。