ケタ違いをしない推測を

野口悠紀雄さん。「大まかなレベルで数字を扱うときは最大で倍、できれば2割か3割の誤差に収まっていればよいのです。大事なことは、「ケタ違い」のような大きな間違いをしないことです。目的に応じて誤差を想定する。ノーベル物理学賞を受賞したエンリコ・フェルミに、有名なエピソードがあります。彼がシカゴ大学にいたときに『シカゴにピアノ調律師は何人いると思うか』という質問を学生によくしていたそうです。ピアノの調律師の統計なんてないから、推測するしかない。まずシカゴの人口を把握し、そのうちピアノを所有している世帯の割合を考える。そして、ピアノを所有する世帯はどのくらいの頻度で調律を頼むか、調律師は一日何台ぐらいの調律ができるのかなど、いろいろ推測をして答えを出していく」なければ数字を作れる頭の働きを。