一枚の絵はがき

日本経済新聞から。「(黒四ダム)大町トンネルの工事で破砕帯と格闘を続けていた熊谷組笹島班。心身共にぼろぼろの現場を支えたのは工事事務所に届いた一枚の絵はがきだった。(関西電力・太田垣社長、現地視察の)数日後、『関西電力黒四発電所 笹島班長殿』とあて名書きした絵はがきが届く。『昨日は大変失礼しました。大変な難工事だと思いましたが、皆様方の明るい元気な顔を見て安心しました。日本土木の名誉にかけて頑張って下さい。ご健闘を祈ります。宇奈月にて 太田垣志郎』笹島はただちに従業員を食堂に集め、文面を読み上げた。『日本土木の名誉にかけて』という言葉に笹島班は奮い立った。」メールがない時代の話ではあるけれど、もしあったとしても、使われることはなかっただろう。心を伝える肉筆を、上手に使えるようになりたし。