戦略的な曖昧さ

nakatomimoka2011-04-09

手嶋龍一さん。「台湾海峡は世界最大の地政学上の不安定要因が埋め込まれていると受け取っておくべきでしょう。これ程の危機を内包した台湾海峡の波を穏やかなものに保ってきた現代史の二人の巨人、それが周恩来ヘンリー・キッシンジャーでした。この類稀な外政家が、文字通り脳髄を振り絞ってまとめ上げた外交文書、それが1972年の所謂『上海コミュニケ』です。そのエッセンスこそが『台湾条項』だったのです。『台湾条項』の核心は2つ。『台湾海峡を挟む両岸の中国人は、中国は一つだと考えているということを事実として知りおいている。』もうひとつは『アメリカ政府は、台湾海峡の平和的解決を希求する』武力介入に言及しないのは、北京に対して暗にプレッシャーをかけるだけでなく、一方的に台湾が独立に傾くのを牽制しているのです」曖昧の妙。