平凡性と反快楽

斎藤環さん。「『③平凡性と反快楽』は簡単にいえば、酒池肉林の贅沢三昧など追求せず、何でもない日常を大切にすることが幸福になる秘訣である、という意味である。幸せの青い鳥は、世界の果てなどではなく、いつも自分のすぐそばにいる、というわけだ。『国王であれ、農民であれ、家庭に平和を見いだせる者が、もっとも幸せである』(ゲーテ)、『反快楽』というのは、『快楽』と『幸福』が異なること。快楽の追求がしばしば不幸につながることを意味している。ならば、快楽と幸福の違いとは何だろうか。幸福に比べれば快楽は、しばしば一過性で濃密な体験であり、時に反道徳的であり、事後に空しさを残すことも多く、しかし羨望の対象でもあるという体験である。ただし快楽は安定性に欠けており、人生全体を不安定化するというリスクもある」持続可能性から。