言葉の通りになる

nakatomimoka2012-03-07

玄侑宗久さん。「例えば『ありがとう』って、別に思ってないのに、言ってみる。何度も何度もそう言ってみると、私たちの奥深くに潜んでいる合理性が、どこかから『感謝すべき事柄』を探してきますよ。『ごめんなさい』でも一緒ですけどね。例えば、理由もなく『ありがとう』という言葉を連発したとします。何かにつけて『ありがとう』と言う。そうすると、その言葉が合理的であると言うことにならないと落ち着かないんでしょうね。私たちは何か感謝すべき事柄を探し出します。嫌な人だったとしても、その人が現れたことを何とか感謝しようと、心は新たな運動を始めるんですね。逆に、理由もなく『馬鹿野郎』と叫べば、それもほどなく合理化されます。だからこそ、言葉は注意して吐かなくちゃいけない。言葉の通りになってしまうからです」ありがとう。