諦観を持ちながら

nakatomimoka2013-10-25

島朗さん。「現実を踏まえなければいけないのは、諦めなければ夢はかなう、といった思想に支配されすぎると、人間は時に生涯を狂わせてしまうと思う。勝負の世界では、2回戦までトーナメントをしただけで4人に3人は負けてしまうのだ。子供の頃に、名人や竜王になりたい、と願うのは純粋な思いで素晴らしいことだと思う。しかしこの世界は日常的に勝負の決着を出していく場である。言い訳はきかず、長い期間には自分がどの立場にいるか嫌でもわからされてくる。棋士になった時にトップを目指せる人間はもう実際は既に限られたメンバーであり、また棋士生活を五年、十年と戦場の中で摩耗していけば、それを目指せるものもどんどん少なくなるのが現実である。夢物語ではなく、諦観を持ちながら自分の戦う場所でベストを尽くすことしかできはしない」諦観。