千住博さん。「滝を再現描写することはできないけれど、画面の上に滝を作ることはできるかもしれない。そう思って、上から下へ絵具を流してみた訳です。そうした所、とても面白い感じになったのです。今まで誰もやったことがない仕事かもしれない、と思いました。それが、生涯のモチーフとの出会いの瞬間でした。苦肉の策でしたが、滝を描くというよりも、滝をそこに作りだしていくという発想。考え方の角度を変えようと決断したことが、大きな分かれ目となりました。まず自分が感動しなければいけない。それをなんとしても伝えたいという気持ち。例えばこんな面白い方法で滝が描けた。それをどうしても伝えなければならないという思い。人を感動させるのは、その何かをなんとかして共有したい、わかちあいたいという心意気なのではないでしょうか」モチーフ。
