よしもとばななさん。「あまりにも多くの宿を見すぎて、その宿の飾りつけがお客さんをもてなすためなのか呼ぶだけのためなのか、わかるようになってくる。そこの食事がコストを削減して儲けを出すことに主眼をおいているのか、なるべく低予算でおいしく食べてもらおうという気持ちでできているのか、わかってしまう。効率的なのと、楽をしようとしているのは違う。その志は、よくよく見ると全て表に現れてしまうものなのだ。ということは個人も歩いているだけで、かくしだてできないあらゆる情報を見せていることになる。そんなものをさらしながら人々の間で生きていくって、ほんとうにすごいことだとおもわずにはいられない。豪華な食事、壮大な自然、完璧なサービス……とかじゃあなくって、なにもかもが『こんな感じ』っていうのの幸せ」手を抜かず。
