政治と文化の関わり

nakatomimoka2015-10-07

橋本麻里さん。「今様、つまり当時の卑俗な『ポップミュージック』に喉を潰すほど入れあげ、その歌集である『梁塵秘抄』を編集した型破りな祖父、後白河の強い影響を受けて育った後鳥羽は、政治と文化の関わりについて非常に意識的だった。勅命によって編纂させた『新古今和歌集』は、平安時代のベルエポック『古今和歌集』に倣ったもの。その仮名序には、和歌は『世を治め、民をやはらぐる道』とあり、和歌/文化こそ天皇による統治の道だと宣言する。圧倒的な武力をもって朝廷を圧迫する幕府に対して、朝廷に残された対抗手段は、武士が簡単には手に入れられない、蓄積された文化資本の力を行使すること。『文』は武を離れるほど力を増す。しかし後鳥羽が武への誘惑に負けて挙兵の道を選んだ時、文の威信は自壊するしかなかった」統治における文と武。