人生は折り合いの連続

nakatomimoka2017-06-26

河合隼雄さん「老子の言葉で、『無為をなせば、すなわち治まらざるはなし』というのがあります。これは政治の話でして、為政者が一部の人を優遇したりするから争いことが起きる、よけいな作為をしないでおけば治まらない国はない、ということを言ってるんですね。しかしこれは、心理療法でも同じことです。自分の欲求と周囲の状況との折り合いのつけようがなくなって、激しい葛藤の中に放りこまれていくわけです。どちらもできないなら、どこかで折り合いをつけなくてはいけない。人生は、折り合いをつけることの連続でしょう。その人がどこで折り合いをつけるのか、その人自身が折りあえる地点を発見するのを、僕らは援助するだけなんですね。『何もしないことに全力を傾注する』。それはものすごいエネルギーのいる仕事ですよ」何もしないことが。