伏木亨さん。「これまでの研究者生活のなかで強烈な衝撃を受けた論文がある。もう３０年以上前、欧米の著名な科学雑誌で読んだものだ。論文の筆者らはゴキブリを２匹カップに入れた。戦わせるためである。最初は両者睨みあっているが、触覚でコミュニケーションするらしく、すぐにどちらかがひっくり返って腹を見せる。全面降伏の仕草だ。戦わずして勝敗が決まるのである。何匹かを対戦させても同じようなことが起こる。どちらも負傷しない。いったい、どういうからくりなのか。実は、勝敗を決めているのはかれらの体臭の違いだった。それも、体臭に含まれるたった４種類の化学物質のにおいが優劣を決めているという。ある化学物質は最強のにおいで、弱いゴキブリにこのにおい物質を振りかけるとたちまち無敵に変身する」人の場合は何が要素なのか。
