その日を摘め

nakatomimoka2017-10-24

岸見一郎さん。「ホラティウスの書いた八行詩に、carpe diem「その日を摘め」という言葉がある。この言葉について須賀敦子が次のような説明をしている。『これ(carpe)は、花を摘むみたいに、葉の間に見え隠れする実を、ぱっと摘み取るとか、そんな言葉なんだよ。ぐずぐずしてないで、さっと摘め。そんな感じだ。ぷちん。その瞬間、私は、花の茎がおれる、微かだがはじけるようなあの音を聞いた気がした』生きながら火あぶりにされるまさにその時、クロイソスは、ソロンの『人間は生きている限り、なにびとも幸福であるといえない』という言葉を思い出した。栄華の絶頂を極めたと思える人でも最後にはどうなるかわからない。しかし、『その日を摘め』というホラティウスの言葉は、ソロンの言葉とは違う人生についての見方があることを教える」いまを生きる、の。