鈴木祐さん。「『儀式』を、心理学ではおおよそ次のような意味でとらえています。「『厳格さ』と『反復』という２つの特徴を持つ、あらかじめ決められたプロトコル。」なんらかの明確なルールに基づき、ひたすら同じことを繰り返すのが『儀式』の大きな特徴です。それでは、なぜ『儀式』には、人間のセルフコントロールや認知機能を高める働きがあるのでしょう？ 言い換えれば、非合理にしか見えない行動を取ることにより、なぜ獣のパワーは制御しやすくなるのでしょうか？ 不確実性が高い環境では、同じタイミングで何度も目の前に現れる事象に注目し、より正確に予測を立てられた者だけが生き残ります。抽象を嫌う獣は、『反復』を具象のサインだと捉えたわけです。その結果、獣の内部には『反復』に強く強く反応するセンサーが備わりました」反復。
