まず自分を裸にする話を

田原総一朗さん。「今のテレビや新聞の記者は、取材の何たるかをはき違えているとぼくは思っています。取材対象に会うと、いきなり取材を始める記者が多いのですが、それでは相手から本音を引き出すことは不可能です。少なくとも一時間以上は取材して、そのうち50分は自分がどんどん裸になり、自分の失敗談などを披露します。そうやって、お互いのことがある程度わかったところで、残りの10分間で相手の本音を引き出すのが記者の仕事だと思っています。幸か不幸か、ぼくは誰に教えられただけでもなく、最初からそういうふうに実践してきました。雑談を通して、ぼくがどういう人間かを相手にわかってもらえなければ、特ダネを手に入れることもできません。インタビューをするうえで雑談はとても大切なのです」人生観を交えた無駄話ができるか。