リーダーは聞き上手

田原総一朗さん。「政治家にしても経営者にしても、リーダーになる人には聞き上手が多いと思います。相手の話を聞くことで政治的判断や経営判断の材料にしているのです。松下幸之助さんは八十歳代、ぼくはまだ四十歳代でしたが、松下さんは一時間半にわたって、ぼくが話すことを『ふーん、ふーん』と言って聞いてくれました。盛田昭夫さんも聞き上手でした。飛行機や新幹線で乗り合わせることがあったのですが、盛田さんはぼくを見つけると隣の客に『すみませんが席を譲ってもらえませんか』と交渉して、ぼくの横に座ります。政治家で聞き上手と言えば、中曽根康弘さんでしょう。ぼくが話すことを必ず大学ノートにメモしながら聞いていました。一国の総理大臣がメモして聞いてくれるのですから、嬉しくなって余計なことまで話してしまいます」メモを。