川上徹也さん。「しかし大抵の場合、その幸せは長続きしません。短ければ数カ月、長くとも数年たつと、最初の頃の高揚感や喜びはなくなっていきます。それは、『快楽適応』、あるいは『ヘドニック・トレッドミル』と呼ばれている現象が原因と考えられています。これは、心理学者のフィリップ・ブリックマンとドナルド・キャンベルが1970年代に提唱した概念です。ヘドニックとは『快楽』、トレッドミルは、ジムなどにあるランニングマシン。『人は、幸せと言う快楽に向かって走り続けはするけれど、決してゴールには到達しない』という皮肉を込めたネーミングです。どんなに欲しかった幸せも、手に入れた瞬間から、少しずつ色褪せていきます。不変の幸せなどというものは存在しないのです。幸せへと向かおうとする行動に幸せはある」プロセスに。