晩年には指導に回る

アーサー・ブルックスさん。「晩年に入ったら指導に回るという考え方は、古今東西の偉大な知恵文学に見られるテーマです。オイゲン・ヘリゲルの『弓と禅』では、弓道の老師が次のように言っています。『燃えるろうそくで他者のろうそくに火を灯すのと同じように、師というものは、火種となる正しい術の心から心へと灯すのです』。紀元前1世紀に政治家、弁護士、学者、哲学者として活躍したマルクス・トゥッリウス・キケロの知恵も借りましょう。キケロは晩年、『義務について』と題する公開書簡を書き、高潔な人が負うべき責任について語っています。『老人は肉体労働を減らし、頭を使う活動を増やすべきであるように思う。相談に乗ったり、実用的な知恵を教えたりして、友人や若者、そして何より国家にできるだけ奉仕するよう努力すべきだ』世代継承。