地位財では幸福になれない

アーサー・ブルックスさん。「完璧主義者は、『自分は他者より高い能力と理想を持っていて、より高い成果を上げられる』と考えています。その通りであることも多い。そうやって他者と比較し、優位だと思えばつかの間安心できますが、すぐに、落ちこぼれたらどうしようという考えが浮かび、破滅的な失敗が目に見えているかのような焦燥感にかられます。他者より優れている、つまり『優れていること』をアイデンティティの核にすると、失敗などできなくなります。失敗したら、モノ化された自分から破門されてしまいます。成功は基本的に地位的なものです。社会科学者たちは、地位財では幸福になれないことを明らかにしてきました。人は10本しか指がないのに20個の指輪を買います。地位を高めるのが、私たち人間の生来の習性なのです」優秀の美。