神の代用品

アーサー・ブルックスさん。「トマス・アクィナスに言わせれば、世俗の道を選ぶ人は、『神の代用品』を選ぶ人です。その偶像は、偶像崇拝者をモノ化するだけで、偶像崇拝者の幸福願望を満たすことは決してありません。トマスが挙げたありがちな偶像とは、お金、権力、快楽、名誉です。最後の『名誉』は、あまり不健全な執着には見えないでしょう。現代では、名誉はとても好ましい意味合いで使われます。しかしトマスの言う名誉は、名声、つまり有名であることを指しています。名声とは、名声の陰に潜む同類、威信と賞賛のことでもあり、『大物』とあがめられることです。トマスによると、そうした偶像は私たちが一人の人間として求めているものではないため、私たちの心を満たしません。それらは、モノ化した特別な自己に支払われる偽造通貨なのです」名誉ねえ。