ストラルドブラグ

アーサー・ブルックスさん。「『死ぬよりは生きているほうがまし』とは、必ずしもいえません。この点を見事に描いているのが、スウィフトによる1726年の小説『ガリバー旅行記』です。主人公はラグナグ国で、偶然生まれることがある『ストラルドブラグ』という希少人種の存在を知ります。見た目は他人と変わらないのに、不死だといいます。実は、ストラルドブラグは死にはしないものの老化はする、典型的な老化症状に悩まされるというのです。唯一の違いは、その症状により死に至ることはない、という点だけ。視力も聴力も失い、痴ほうになっても、決して死にません。80歳になると、政府により法的に死者とされ、財産も仕事もはく奪されます。何も生産せず施しを受け、ひどくふさぎこんだまま、事実上世を忍んで永遠に生きていくのです」リビングデッド。