型稽古修行

森田真生さん。「『食べる』という行為は、あらゆる生物に共通する、原初的な活動である。この時点で身についてしまった癖は、より高度な認識活動にも影響を与える。食べる時から混乱している人が、どうして思考するときだけ整然としていられるだろうか。どれほど抽象的で高度な思考も、すべては生物としての身体に根ざしたものである。だからこそ、呼吸や姿勢、食事など、すべて日常における人の『在り方』は、その人の思考の広がりや深さを制約している。『知ること』に先立ち、まずみずからの『在り方』を律していくこと。『型』や『稽古』あるいは『修行』といった言葉の裏には、このような知恵が働いているのではないだろうか。逆に、日常のどんな些細な行為も、それをみずからの『在り方』と向き合うチャンスと捉えれば、『精進』になる」遠回りなようで。