なんとなく生きていないか

行徳哲男さん「キュルケゴールはなぜ嫌われたのか。毎週日曜日に教会の前でバラまいたビラのせいでした。デンマークは宗教国家ですから国が教会を建て、牧師は公務員扱いされます。彼はその国教を『瞬間』というビラで攻撃したのです、『あなたたちは月曜から土曜までぼんやり生きてこなかったか。なんとなく起きて、なんとなく仕事へ行って、なんとなく家へ帰り、なんとなく語らい、なんとなく食事をとって、なんとなく床に入る。なんとなく生きることは犯罪ではない。しかし明らかなる罪だ』『日曜日になったら教会へ来て礼拝する。アーメンを唱え、十字を切る。牧師の話を聴き、だらだら生きる罪を赦して貰えたと錯覚して、また月曜からぼんやり生きる。曖昧に生きたことの罪を赦して貰わんがための教会の礼拝などやめてしまいなさい』と」瞬間。