山口創さん。「エンドルフィンの幸福というのは、大学に合格した時の喜びとか、長年の仕事の成果が上司に認められたりした時の幸福感です。もともとエンドルフィンは痛みや苦痛といった身体の緊急事態に対処して、それをやわらげるために進化した物質です。身体が痛みを感じると、身体は緊急事態とみなしてエンドルフィンを分泌します。よく使われる例として、フルマラソンの走者が、ゴールまでの途中、何度か苦しみに耐えながら、ゴールする瞬間の達成感を味わうために、苦しさに耐えながら走り続けるでしょう。このとき、脳内で分泌されるのが、ドーパミンとエンドルフィンです。ドーパミンが、目的の達成のために、苦しくてもそれを乗り越えようという意欲を高めてくれる一方で、エンドルフィンが苦痛をやわらげてくれるのです」苦痛をやわらげる。