合理的な方法

東京女子医科大学教授だった太田和夫さんは、「何をするにも合理的な方法がある。舟形に切られたメロンを食べるとき、ほとんどの人は上からスプーンで削り取って食べる。しかしこれでは、メロンのうまみの中核である汁がこぼれてしまう。メロンを斜めに傾けて、横の面からくぼみを作るようにして食べ続ければ汁を残さず平らげられる」と言っていた。「漫然とメロンを食べている人間は結局、いつまでも進歩がない。それは外科手術でも同じ。手術の度にどうしたらうまくやれるか、常に最も合理的なやり方を考える姿勢がないと駄目だ」といわれる。ああ、くぼみをつくれるくらいの厚さに切ったメロンを食べたい。