さりげない注意

住友銀行の堀田頭取は、仕事に対する集中力がものすごく、一つのことをとことん突き詰め、考えに考え抜いたことを今思いついたようにさりげなく口に出される方だった。今思いついたように言われるときというのは、部下を叱る場合にも見られた。「今ちょっと気付いたのだが、こういう点は・・・」とさりげなく注意をしたという。決して「かねて思っていたのだが」とは言わなかった。えてして我々、「思いつき」をあたかも考え抜いたかのように開陳し、以前から云々とねちねち叱りがちなもの。さりげなく、さりげなく。