以て大事を

平岩氏が東京電力の社長に選ばれた時、私淑している師、安岡正篤さんから一書が贈られたという。明の大儒だった王陽明の言葉である「冷に耐え、苦に耐え、煩に耐え、閑に耐え、激せず、躁(さわ)がず、競わず、随がわず、以て大事をなすべし」という文言であったという。やってきたのは閑に耐え、ぐらいかな。大事をなすには、まだまだ修行が足りぬようである。