『省』に尽きる

nakatomimoka2014-06-03

安岡正篤さん。「人生のことは、これを要約すればこの『省』の字に尽きるといってもよい。『我日に我が身を三省す』(論語)三たび我が身を省みる。三たびというのは一、二、三ではなくたびたびという意味だ。『省みる』と読んだのでは五十点の値打ちしかない。少なくとももう一つ大事な意味がある。それは『省く』という意味だ。人間は放っておくと、いろいろのことを考え、いろいろのことをやる。いわゆる『閑是非』に追われる。それは結局、人間精神を衰えさせることであるから、そこで人間には良心・理性というものがあって、こういうことを考えてはいけない、こういうことをしてはいけないという、つまり反省、省みることによって省くことが行われる。それによって人間本来の進歩・向上心が生まれる。即ち克己だ。己に克って励む」省みて、省くこと。