可愛気と律気

矢沢永一さん。「人間の欠点が掩(おお)い隠されて世の人から好意を得ることができる性格の急所は可愛気であろう。これに類する或いはこれに代わる長所は他にちょっと考えられない。才能も智恵も努力も業績も身持ちも忠誠も、すべてをひっくるめたところで、ただ可愛気があるというだけの奴には叶わない。人は実績に基づいてではなく性格によって評価される。可愛気そのものは自作自演できなくても、その一段下のところを目指すことはできる。可愛気の次に人から好まれる素質、それは、律気、である。秀吉は可愛気、家康は律気、それを以て天下の人心を収攬した。」評価するのが人である限り、人は実績ではなく、性格によって評価されるというのはあたっているのだろう。しかし、可愛気がすべてに勝るというのは、案外真実のような気もするなあ。