いごこちのよさとは

辰巳渚さん。「いごこちのよさとは、配慮がいきとどいていることから生まれる。レストランに行って気持ちよく食事ができるかどうかは、気持ちのいきとどいたサービスを受けられるかどうかにかかっている。日本の茶道では、こまやかにかつさりげなくしつらえや接待に配慮する、亭主の度量が試される。映画のような創作物にしても、監督の配慮がストーリー展開や人物設定、舞台装置などにこまやかにいきとどいていると、こころに深くしみいるリアリティが生まれる。そうやって、気持ちをすみずみまで行きとどかせることで、レストランやお茶会にきたお客は『いい時間を過ごした』と満足するし、映画を観たお客は人間というものや人生というものに思いをはせることになる。」配慮をいきとどかせるようにすること、人に対しても、自分に対しても。