考える喜び

将棋の片上大輔四段。「棋士になってよかったことはいろいろあるが、心ゆくまで考えられることもその一つである。僕は序盤の何でもない局面で考えるのが好きだ。いままではできなかったその幸せを、棋士になってからの一年半でだいぶ満喫した。きっとこれからも続けていくだろう。(略)出来る限り見たことのある局面へと誘導して戦い、そのためだけに研究を積み重ねた。そうして私は、四段になった。いまはもうそんな必要はなくなった。時間はたっぷりある。好きなときに好きなだけ考えればいい。知識は勝つための知識ではなく、考えるための知識になった。研究は勝つための研究ではなく、将棋をより楽しむための研究に変わった。自由に考えられることがこれほど面白いことだとは知らなかった。本当に、棋士になれてよかったと思う。」なんともうらやましい。