Z旗を掲げて

司馬遼太郎の『坂の上の雲』を読み返していたら、「Z旗」というのが出てきた。日露戦争日本海海戦で、東郷連合艦隊司令長官の座乗する旗艦「三笠」がZ旗を掲揚して全艦隊の士気の高揚を図ったくだりで、意味は「皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ」。このZ旗、海戦で掲げるのはトラファルガー海戦でのネルソン提督の行動に倣ったものらしいが、発祥は、"Z" がアルファベットの最後の文字である事から、「後はない」という決戦の意思として用いられたものらしい。ウィキペディアで調べると、1960年代後半、アメリカ日産の社長片山豊が、当時開発中のスポーツカーの開発スタッフにZ旗を贈った。そして誕生したスポーツカーが「フェアレディZ」らしい。いつかZ旗を掲げる時は来るのだろうか。まあ、毎日がZ旗状態というのもねえ。

【追記2011.01.31】日産のフェアレディーZの前に、トヨタが日産サニーに対抗する新エンジンの開発を急いでいたときにもゼット旗が掲げられ、関連書類すべてに朱色の「Z」印が押されたらしい。誕生したのが「初代カローラ」とのこと。