自分の少年時代を超える

横尾忠則さん。「でも模写は今でも相変わらず止められず続けている。学習のためにする場合もあるが、自作の画面の中に子供のころ熱狂した冒険小説などの挿絵を描き込んだり、スターの顔を描き入れたりして少年時代の夢を実現させてひとり三昧気分を楽しんでいる。大人になってもこうしたインファンテリズム(子供っぽさ)はぼくにとっては芸術の源泉になっていると思う。また模写の行為は芸術に限らず初心に戻ってもう一度自分を見直すチャンスでもある。ゴッホにしてもセザンヌにしても模写を自己超克の手段にしていたところがあると思う。自分を超えるということは結局自分の少年時代を超えるということで、これが実はなかなか難しいのだ。」少年・少女時代の夢を実現させている場を、持てていますか? それが何かの源泉になっていますか?