利益優先主義の理由

御手洗冨士夫さん。「我々メーカーは、ある技術を研究し商品につなげるまで、実に長い時間がかかります。従って、長期的な研究開発に耐えうるだけの自己資本を蓄えなければなりません。たとえば、キヤノンでは複写機を開発してから軌道に乗せるまで20年かかっています。バブルジェットプリンターは、着想から製品化まで15年です。開発費ばかりでなく、工場の建設費などの問題もあります。これを借金だけで賄っていると、もし金融変動で銀行に貸しはがしされたらもはや打つ手がありません。そればかりではなく、他に試作費や設備費、人件費といった、研究開発に伴う諸費用もかかります。投資顧問会社などは自己資本は効率が悪いなどと言いますが、安全のためには絶対に稼がなきゃならない。だからどうしても利益が必要なのです。」その為にも利益を。