大胆に行動しうるか

藤沢武夫さん。「藤沢がアメリカに飛んでいったけれども、今度ばかりは打つ手があるまい、というのが大方の観測で、本当に心配していたようです。そういう所に帰って『大丈夫だ。安心しろ』といったら、みんなよけいに心配します。これは私の心理学です。そこで、羽田に着くと本社には寄らずにそのまま研究所に行って、『同じ構造でいいから、形の違う種類を作ってくれ。スーパーカブ号の輸出は中止する。12月までに新しい製品を作ってくれないか』と言い残して、軽井沢の貸別荘に籠もってしまった。そしたら、本社の連中は『何だあの野郎は、大した事なかったのか』と思ったようでした。ニコニコ笑って帰ってきて、何も説明しないのだから、大丈夫だと思ったのでしょう。本社が安心すれば各製作所も平静な気持ちに戻ります。」この行動が取れるか。