事務所が汚くていいはずがない

藤沢武夫さん。「私も当時は工場へ出かけていって、ほうきを持って掃いたりしたものです。ある時、工場の事務所に行ったら、机の上に書類が散らかっている。棚も汚いので、私はアタマにきて、机の上から棚の上、散らばっている書類を全部引っ掻き回してしまった。インキ壺は落っこちるし、書類は飛び散るで、みんなびっくりしてしまう。そして私は後ろから羽交い締めにされてしまった。ちょっとした松の廊下だった。だもんで、こんどは足で書類を蹴っ飛ばした。大変な騒ぎになったものですが、みんなが『必ずきれいにしますから、許してください』というので、勘弁してやりました。私に言わせれば、本田は金もないのに便所を真っ先にきれいにした人なんだ、その思想を汲めば、事務所が汚くていいはずがない、ということです。」5S以前に。