事業は事を起こして30年

牛尾治朗さん。「会長の役割は、みんなの心意気をわかってやるという事だと思いますね。祖父は相場で儲けて、銀行やガス会社や電力会社を明治の中期に作ったという人ですが、事業は事を起こして30年かかると言っていたそうです。十年でお金を残せ。つまり利益を出せ。次の十年で仕事を残せ。独自の技術とか商品を残せという事でしょう。そして次の十年で人材を残せ、と言ってるんです。それで創業は一応完了するという訳です。つまり、人の心をわかってやるというのは、人を育てるということなんだと思ってます。それが会長の役ですね。晩年に偉くなる人の共通点は、城山三郎さんによると、安定感、高い感度、淡泊さだそうだけど、それとってもよくわかります」企業の寿命30年説があったが、人が作れるかどうかが存続するか否かの分かれ目か。