日数をかけて染みこませる

吉田玉也さん。「時間をかけることは大事だと感じています。例えば、次の舞台の役作りに5時間稽古が必要だとしたら、1日で5時間やるのではなく、1日1時間で5日かけたほうがいい。トータルな時間は一緒でも、日数をかけて少しずつ染みこんだものは、身についていくものです。そして、覚えたからもういい、というわけではなく、次の幕があくまでは、毎日稽古をします。日数をかけることによって、昨日と違うアイデアが浮かぶこともあるからです。それは彫刻家が、毎日少しずつ修正して彫り進めていくのに似ていると思います。一気に作れば、最初のアイデアのものができますが、毎日やれば、浮かんでくる様々なアイデアを入れることができる。それをずっと積み足していく」うまずたゆまず、日数をかけ、時間をかけて、育んでいくものを。