不遇な人にも礼をつくす

坂東眞理子さん。「職場でも主流といわれ、花形といわれるポストに就いた人の周りには人が集まってはやし立てますが、不遇なポストに回った人に対しては、軽く見て、よそよそしく寄り集う人も少なくなります。ポストによって掌を返すような態度を示す人が多いなかで、不遇な人に温かいまなざしを向け、礼儀正しく接すれば相手の心に残ります。引退していく人にも礼儀を尽くしましょう。もう引き立ててもらうこともない、仕事を助けてもらう直接のメリットはないと分かっていても、温かく付き合うことは人間としての評価に厚みをもたらします。不思議なことに、こうした直接には役に立たない礼儀正しさが、実は本当の人脈をもたらし、職場や社会の成功にも繋がります」勝ち馬に乗り、負け犬を蹴りがちな風潮に棹を差し、人として礼儀をつくす。