未来を予見する力

野中郁次郎さん。「なぜドラッカーには正しい未来が見えていたのだろうか。ドラッカーの子供時代、父がハプスブルク帝国の政府高官だった関係で、シュンペーターハイエクトーマス・マンフロイトなど、家に集まる知の達人と身近に接していた。また、彼は新聞記者や証券アナリストコンサルタントなど多彩な職業を経験した。学者としての研究分野も政治理論、米国史、経済史、哲学と経営学の範疇を超えている。クレアモント大学では二本美術について五年間講義していた。このような『高質の経験』によって形成された豊かで広く深い『知の生態系』が、彼に深い洞察力を与えた。知の生態系の発展には、科学性だけでなく人間観、世界観などの大局観が欠かせない。あらゆる知識は、その下でつながりつつ深みを増していく」多彩な経験で大局観を。