三本の柱を太く

城山三郎さん「石塚幸雄さんは、破滅に至らぬためには人間は三本の柱を太くしておく必要がある、との意見であった。その柱のひとつが『インティマシー』。つまり、家族とか友人とか、親しい人との付き合いである。ふたつめは『セルフ』の柱である。自分自身だけの世界、信仰とか読書とか思索とか、あるいは一人だけでできる趣味の世界である。三本目の柱は、『アチーブメント』、つまり、仕事とか、はっきりした目標や段階のある趣味の世界である。こうした三本の柱がバランスよく太くなって、その上にのって居れば、一本の柱に何か異常が起ころうと、あとの二本で支えてくれる。三本の柱を太くするためには、肉親を愛し、よき友人を持ち、よき趣味を持ち、文学や芸術を通じて自分だけの世界をも豊かにしておくことである」親密・自己・達成の三本柱。