数字だけを見ず聴診する

フィリップ・リエス氏「ゴーンは数字だけを見なかった。その代わり、どうして会社がそんなふうになってしまったのか、どうしてそういった数字が表れるに至ったのかを理解するために、99年の春を使って、全国行脚、いや、世界行脚の旅に出る。行く先は、日産の営業所、工場、テクニカルセンター。その途中で、ディーラー、サプライヤー、そしてユーザーとも話をした。世界中の日産に関係する施設をまわり、また人々から話を聞くことによって、日産の状態をいわば“聴診”したのである。すると、まだ日産の正式な役員にもなっていないのに、精力的に働くこのゴーンの姿を見て、日産の人々は、“セブン・イレブン”というあだ名をつけた。すなわち、日産にやってくるとゴーンは、コンビニさながらに、朝から晩まで働き続けたのだ」まず、聴く。