日常生活の細部で手を抜かない

nakatomimoka2011-05-07

内田樹さん。「僕たちの世界には理由もない壮絶な暴力や邪悪なものが確かに存在する。そういうものに僕たちはほんとうになにげなく角を曲がったとたんに出くわしたりする。それがもたらす被害を最小化するためにも、日常生活の細部で決して手を抜いてはいけないんです。アイロンをきちんとかける。鉛筆を尖らせて削る。適切な塩加減でスパゲッティをゆでる。そういった気配りは少しも表層的なことではなく、生きる上での根本に関わることなんです。(略)『文化的雪かき』という言葉が『ダンス・ダンス・ダンス』に出てきますが、ああいうことを主人公の責務として描いた作家なんてこれまでいないんじゃないですか。一人一人の雪かき仕事のような無名の、ささやかな献身の総和として世界は辛うじて成り立っている」毎日全てにベストを尽くす。