直心の交わり

nakatomimoka2012-04-09

千宗屋さん。「いずれにしても茶の湯は、それを通して何かを身につけるための『手段』ではありません。むしろ茶の湯そのものに存在する深く、大きな楽しみが、何百年も前から多くのひとを虜にしてきた理由だと思うのです。先に答えを言ってしまうと、茶の湯の究極的な目標は、”直心の交わり”つまり心と心の交わりを、茶の湯の方法論によって実現することです。その最善の手段として、”茶事”があり、亭主としては茶事を催し、考え抜いた趣向によってお客様に満足してもらい、そのことで自分も『人を招く悦び』を享受する。客としては修練と教養を積んで、亭主のもてなしを察し、的確に応じることができる。そのとき、主客の間に成立する人間的で、深いコミュニケーションが、双方にとってなによりの喜び、楽しみとなるのです」心と心の深い交わりを。